一石二鳥

maffico2006-02-15

久しぶりに「どきゅん」ときた作品に出会った。
多島斗志之(としゆき)の『離愁』はなんとも素晴らしい。
この作家さんの作品は一度読んだことがあったんだけど、
それとはまるで違う作風で、衝撃を受けた。


『症例A』は、精神医学の分野を軸にしている。
今回は、歴史的な『ゾルゲ事件』を取り上げている。
同じ作家が書いたとは全然思えないほど、
がらりとその印象が違った。
「言葉巧み」とはまさにこのことでしょう。
文章から、情景だけでなく色までを思いおこさせるのは相当の力がいる。


ゾルゲ事件のことは全然知らなかったけど、
小説を読んだ後に『スパイ・ゾルゲ』を観て、勉強しました。
かなりやり手のスパイの話だったということも、
彼が巻き起こした事件は当時相当のものだったということも
初めて知りました。笑。
映画としての出来は問題外として、
フィクションとして観る分には十分でした。笑。


知識的な部分でも、情緒的な部分でも満足いく時間の使い方ができたと思います。